体操だけやりたい。
スカウトの場で、私たちは何度もこの言葉を聞く。
まっすぐで、誠実で、
競技にすべてを懸けようとする覚悟がにじんでいる。
だからこそ、私たちは簡単にうなずかない。
体操競技は、美しい。
しかし同時に、続けることが最も難しい競技でもある。
その言葉を、私たちは否定しない
「体操だけやりたい」という気持ちを、私たちは否定しない。
むしろ、その覚悟がなければ、体操は続けられない。
ただし、その言葉が強いほど、見落とされやすいものがある。
覚悟の裏側にある「危うさ」
体操だけやりたい。
その言葉の中に、こうした思いが潜んでいることがある。
・他のことを考える余裕がない
・競技以外の世界が、まだ見えていない
・失敗したときの選択肢を、持っていない
それは覚悟であると同時に、
危うさでもある。
体操「だけ」で生きていける人は、どれくらいいるか
日本で、体操競技だけで生活できる選手は、ごく一部だ。
代表クラス、トップ選手、露出のある存在。
その裏には、同じように努力し、同じように夢を語り、
それでも競技を離れていった選手がいる。
これは誰かの努力不足の話ではない。
競技の構造が、そうなっている。
だから、私たちは問い返す
スカウトの場で、私たちはこう問い返すことがある。
「体操ができなくなったとき、
あなたは何を残したいですか」
すぐに答えが出なくてもいい。
ただ、その問いを初めて自分の中に置いてもらうことが大切だ。
デュアルキャリアは、妥協ではない
「体操以外のことをする=競技に集中できない」
そう思われがちだ。だが、私たちは逆だと考えている。
競技以外の軸を持つことで、
選手は、競技にしがみつかなくて済む。
逃げ道がある、という意味ではない。
選択肢がある、という意味だ。
その余白が、競技への集中力と長期的な成長を支える。
「体操だけやりたい」から、「体操を続けられる」へ
ジュンスポーツ北海道が目指しているのは、
「体操だけやれる環境」ではない。
「体操を、長く続けられる人生」だ。
競技者としての時間は、思っているより短い。
だが、体操で培った力を人生に使える時間は、長い。
私たちは、体操を“終わらせない”ために、
体操以外の世界も、最初から一緒に考える。
「体操だけやりたい」
その言葉を、私たちは否定しない。
だが、その先まで、必ず一緒に考える。